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VOL.7 「スマートハウス」4つの概念で賢く無駄を省くスマートハウス 執筆:住宅ジャーナリスト/林直樹

2012年10月17日

スマートハウスを理解するための4つの概念

スマートハウスを理解するための4つの概念

エネルギーをコントロールして
賢く無駄を省く

●エネルギーを蓄える

これまで電気は蓄えられないものとされてきたが、家庭でも使える蓄電池が研究・開発され、実用化が現実のものとなった。また、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリットカー)に搭載された電池を住宅用蓄電池として活用することも提案されている。東日本大震災が契機になったといえるだろう。
現在の製品は電池容量や機能性も様々だが、これによって安い深夜電力を蓄え、日中に使うなど、電力のコントロールが家庭でも可能になった。また、停電時にも蓄電池があれば、照明や冷蔵庫などが使えるので安心だ。
住宅用蓄電池は、性能的にも価格的にもまだまだ進化の余地がある製品で、スマートハウス普及の大きなカギを握っている。

●エネルギーをコントロールする

スマートハウスの頭脳が「HEMS」。IT技術を駆使して、太陽光発電、燃料電池の発電状況や蓄電池の残容量、家庭で使われている電気・ガス・水の使用状況を計測し、専用モニター、テレビ、パソコン、スマートフォンに表示する。創っている電気や蓄えた電気、使っている状況をリアルタイムで見ることができるので、効果的にエネルギーの節約ができる。エアコンやIHクッキングヒーターなど対応する機器なら、無駄が出ないように自動制御する機能もある。例えば、住まい全体の電気の使用状況に応じて、IHの火力を自動調節したり、太陽光発電の余剰電力でエコキュートを自動で沸き増ししたり、といった具合。

●賢く無駄を省く

これまでならとにかく電気をこまめに切る、水をむやみに使わないなど、倹約的な方向でエネルギーの無駄を省くしかなかった。だが、上記4つの条件が揃ったスマートハウスなら、CO2発生の抑制に貢献しながら、かつ経済的なメリットも十分得られる。また、HEMSによって日々の省エネ効果がモニターに表示されることで、自分のライフスタイルを見直すきっかけにもなる。子どもたちも暮らしの中で、自然に環境意識を身につけることができるという効果もあるだろう。賢く無駄を省きながら、かつ快適な生活を維持できるのが、スマートハウスの大きな魅力だ。



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